時代の変化「熱い時代から、さめた時代」へ

   終戦から半世紀以上の年月が流れ、この50年で時代はめまぐるしく変化しました。
  今、50代を目前にしたお父さん、お母さんが子供の時代には、テレビさえない時代でした。 40代のお父さん、お母さんの頃になって、やっと各家庭にテレビが普及した・・・あらためて そう考えると、何と生活環境はかわったことか・・・
 
  ちょうど、今40代半ばの両親が子供の頃、夢中になって見たアニメが「鉄腕アトム」です。 あの当時、21世紀ははるかかなた、ロボットも、ロケットも、夢のまた夢でした。しかし、今 はどうでしょうか?
 「いってきまーす!」と家を出た子供にも、携帯電話を使えば連絡がつきます。たとえ子供が電源を切っていたとしても、「アトデイエニテルシテネ」というメッセージを残せます。
 「Air Mail」などを頼りにしなくても、パソコンの操作だけで、いつでもに世界中どこにでもEメールが送れ、届きます。ここにタイムラグはありません。
 本屋さんになかった本を、3週間近く待って取り寄せてもらわなくても、パソコンで申し込めばたった4、5日すれば近くのコンビニに本は届きます。
 温泉宿の娯楽室や、町の不良のたまり場になっていたゲームセンターでしか楽しめなかったような面白いゲームは、今ではほとんど自宅のテレビの画面を使って、いつでも出来るようになりました・・・
 
 そうです。私達が「未来のこと」として思い描いた多くの事は、現実のこととして、今、子供達のまわりにあります。そして、そういう数々のものにちょっと戸惑い、躊躇している親達を横目に見ながら、今の子供達は、そういう「便利なツール、重宝するグッズ」を当たり前に使いこなしていませんか?
 新しいものがすべてすばらしく、古いものは時代遅れでつまらない・・・決してそうではありません。しかし、こういう時代の変化を全く意識することなく、「お父さん達の若い頃は・・・」とか「お母さんが中学生の頃には・・・」と、当たり前のようにして話していませんか?
 時代が変われば、新しい環境の中での思想も変化します。親が育った時代と、全く様変わりした今に生きる子供達に、当たり前のように「昔」を押し付けてはいないでしょうか?
 
 お父さんやお母さんは、部屋に閉じこもって遊ぶ子供や、塾通いする子供達に、ときどきこういう事を言います。「お父さん達が子供の頃は、真っ暗になるまで、友達と外で遊んだもんだ。それなのに・・・」
 メディアの発達で、今では都市部と地方の格差は小さくなってきました。とは言え、やはり大都市と山間部や離島の子供達との生活は、今でも大きな違いがあるでしょう。幸運にも、いまだにこうして遅くまで遊べる野山や野原、海、川・・・のある子供達は幸せですが、首都圏や都市部の子供達には、決して「お父さんが子供の頃の生活環境(遊び環境)」は与えられていません。
 要は、大人達はわかっていなければならないのです。「時代」は大きく変わったという事。そして、いまでも超スピードで、様々な分野での研究が日夜続けられ、私達が子供の頃に夢みた21世紀はもう始まっているという事を。そういうことをしっかりと理解し、敏感に時代の変化を肌で感じ、「今の時代にあった」子供達への対処を考えなければなりません。

 「人としての道」「人としての心」は、時代がどんなに変わっても、大事にすべき事に違いはありません。しかし、それを子供達に教え、伝える時、時代の流れ、変化を、十分に認識した上で子供に向き合う必要があるでしょう。

 政治への反発、学生運動、デモ、集会・・・・昭和の時代は「熱い時代」でした。しかし、今、子供達を取り巻く社会は、「みんなで手を取り合って・・・」とか「肩を組んで・・・」とか、そういう集団で熱くなることに対して非常に冷めた社会です。
 子供達はグループを作って集いますが、それはみんなで熱くなり、目的意識を持ってひたむきに行動するためではなく、一人でいるのが寂しいから・・・一人でいるより、みんなでいるほうが楽だから、楽しいから・・・

 今は、だるい時代、さめた時代・・・です。それが良いとか悪いとか論じるよりも、まずはそういう時代であるという事を知り、認めなければなりません。その時代を批判的に眺め、挑発的、挑戦的に子供達に向かっていけば、きっと「何熱くなってんの?」と、冷ややかにかわされてしまうでしょう。それって悲しくありませんか?それって滑稽ではありませんか?
 親には、「やがては成長して一人の社会人になる子供を育てる」上において、人にとって大切なことを伝える義務、責任があります。だからこそ、効率よく、効果的に子供達に伝えるためにも、子供達が生きている「今」を十分に知り、理解する必要があります。
 親こそが「何なんだ、おまえは!」とキレることなく(この世で一番難しい事かもしれない・・・)、冷静に今の時代を見つめて、効果のある家庭教育を考えましょう!