塾の生活を知っていますか?

 放課後、一度帰宅して学校の荷物を置き、おやつを食べた後、少しほっとしたらもう塾へ行く時間です。子供達の中には、私立の小学校へ電車通学をしている子供もいるでしょう。きっとそういう子供達は、学校での授業が終わってから塾が始まるまでの間に帰宅する事が出来ず、学校から塾に直行!というような生活をしているかもしれません。いずれにしても、中学受験をする子供達にとっての学校の下校チャイムは、一日の勉強が終わり(ふー、今日もお、わ、り!)と家庭モードに戻るサインではなく、次にやってくる「塾ライフ」への切り替えスイッチをONにするサインなのです。
 お母さん、あなたは・・・・
塾の椅子に座って、黒板に書かれた式を真剣に見つめ、先生の説明を一生懸命に聞いている子供の姿を、見たことはありますか?
し残した問題をやっと解き終わり、次の授業が始まるまでのわずかの時間に、あなたが作ってあげたおにぎりを慌ただしくほおばる子供の姿を、見たことはありますか?
何度説明を受けても十分に理解出来ず、自分の席の前に立たったままの先生を意識しながらも、それでも何度も数式を必死に書く子供の姿を、見たことはありますか?
 お母さまや、他の家族がテレビでも見ながら食事をしている時・・・塾に行っている子供の兄弟や姉妹が学校の様子をニコニコと話し、それにあなたがうれしそうにうなずいて聞いている時、食事を終えてほっと一息ついてお茶を飲んでいる時、何となく見ていたテレビのバラエティー番組に大声で笑った時、塾にいるあなたの子供は「中学受験」という亡者をやっつけるために、一生懸命にがんばっているのです。
 そんな我が子が帰宅した時、どうしてあなたは「今日も一生懸命にやった?」「この間のわからなかったところ、ちゃんと先生に聞いた?」・・・・と、声をかけるのでしょう?横暴、横柄とまではいかないまでも、塾から帰ってきたとたんの子供に、「とにかく、しっかりがんばりなさいよ!!お母さんは応援してるんだから。」という態度になってしまうのでしょう?
 一般的な進学塾の場合、一部の『遊びの延長線上』であることをポリシーにしているような塾を除いては、授業はすこぶる真剣に進められています。学校での授業のように、いろんな理解力の程度の子供がいたり、生徒達の取り組む意欲にムラがあるわけではありませんから、普通の時には和やかな雰囲気を残していても、授業は真剣そのものです。
 子供を塾に送り出した後、子供が塾から帰ってくるまでの間に、どうぞ一度、どういう様子で我が子が塾の授業を受けているのだろうか・・・と、想像してみてください。
 中学受験を目指し、塾通いをしている子供達は、せいぜい9歳から12歳くらいの年齢の子供達です。マスコミが悲愴になってネガティブに取り上げるほど、子供達はいつも悲しい思いをして塾通いをしているわけではありません。それなりの楽しさ、おもしろさを見つけて、有意義にもやっているのです。とは言っても、お母さま方が自由に過ごしている間、少なくとも何にも束縛されていない間、塾にいる子供達は、一生懸命に机に向かっているのです。どうぞその事実を、再認識してください。

 さあ、子供が帰って来た時には、「ご苦労様!お疲れさま!」と声をかけてあげてくださいね。いくら今していることが中学受験のみならず、将来の自分達のため・・・とは言っても、まだまだ子供達は幼いのです。塾で勉強し、中学受験を目指すという行為が、将来、自分にとってどんなに大きな意味を持ってくるか?というようなことは、現時点では理解できません。
「お疲れさま!」幼い子供達は、十分に親からも労いの言葉をかけてもらって当然の生活をしています。親が受験準備をしている子供に「媚びをうって」勉強させている姿は見るに耐えませんが、大人でも子供でも、がんばった!という事実に対しては、正当に評価されるべきでしょう。

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